ここでは、コース9〜12(1年間・全4コース・全48回)で、毎回どんなことを学ぶのかを週ごとにご紹介します。これまでのコースで身につけた考え方を土台に、この4コースでは対称性や再帰といった数学的な発想、乱数を使ったシミュレーションとデータの見える化、複数の条件を組み合わせた「AIっぽい判定」やキャラクターの自動行動、そして3年間の集大成となる卒業制作へと進みます。最後のコースでは、Scratch・Robloxのどちらを主軸にするかを自分で選び、企画から完成・発表までを自分の力でやり遂げます。
進め方は下記のW1(Week 1)60分間を毎週行う場合とW1(Week 1)とW2(Week 2)をまとめて120分授業とし隔週で行う場合があります。
コース9「数学とアートのプログラミング」(だい1クール)
線対称・点対称など、図形の規則性を使ったアート表現に挑戦します。「同じ処理が自分自身を呼び出す」再帰の考え方に、簡単な模様づくりを通じてふれ、3D空間での図形の配置・回転という、Robloxならではの表現も体験します。
1か月目:対称性と幾何学模様
- W1[Scratch]点対称の模様にちょうせん:角度を等分してくり返し描くと、中心のまわりに規則正しい点対称の模様ができることを体験します。
- W2[Scratch]万華鏡アートをつくろう:点対称の技に「色の変化」「線対称(左右反転)」を組み合わせ、万華鏡のような作品に仕上げます。
- W3[Roblox]左右対称のたてものを作ろう(1):x座標の符号を反転させると左右対称に配置できることを理解し、対称な柱の並びを作ります。
- W4[Roblox]左右対称のたてものを作ろう(2)・完成:柱づくりを関数にまとめ、屋根や壁を加えて左右対称の建物として完成させます。
2か月目:らせんとフラクタルの入り口
- W5[Scratch]自分だけのブロックで木の幹をかこう:「自分自身を呼び出すブロック(再帰)」に初めてふれ、再帰には必ず止まる条件が必要なことを理解します。
- W6[Scratch]木の模様を完成させよう:再帰の深さを引数として渡せるようにし、模様の複雑さを自分でコントロールします。
- W7[Roblox]再帰で枝を増やそう(フラクタルツリー入門):Scratchで学んだ再帰の考え方を、Luauのlocal function(自分自身を呼び出す関数)でそのまま実装します。
- W8[Roblox]フラクタルツリーを完成させよう:1つの枝から2方向に分岐する立体的なフラクタルツリーを、CFrameを使って完成させます。
3か月目:3D図形と回転
- W9[Scratch]コスチュームで立体感を出そう:コスチュームを連続的に切り替え、立体的に回転しているように見せる表現(疑似3D)を体験します。
- W10[Scratch]回転アニメーション作品をつくろう:コスチューム切り替えと変数(回転速度・色など)を組み合わせ、回転するオブジェのミニ作品を完成させます。
- W11[Roblox]球・立方体を配置してCFrameで回転させよう:Robloxの立方体・球パーツを配置し、CFrameを使って実際に図形を回転させます。
- W12[Roblox]3D作品を完成させて発表しよう:対称配置・再帰(フラクタルツリー)・3D図形の回転を組み合わせ、1つの作品として完成させて発表します。
コース10「シミュレーションとデータの世界」(だい2クール)
コイン投げ・サイコロなど、乱数を使ったシミュレーションを体験します。試行回数を増やすと結果が安定していく様子をグラフ的な表現で確認し、集めたデータを「見える化」する経験を通じて、データ分析の入り口にふれます。
1か月目:乱数と確率
- W1[Scratch]コインを投げてみよう:乱数を使ってコンピューターの中でコイン投げを再現し、表と裏の出た回数を数えます。
- W2[Scratch]たくさん投げると数字が安定する:試行回数を増やすほど表と裏の割合が50%に近づいていく様子を、リストに記録しながら体感します。
- W3[Roblox]乱数でコイン投げをつくろう:Scratchで学んだ乱数の考え方が、Robloxのmath.randomでも同じように使えることを理解します。
- W4[Roblox]結果をブロックで見える化しよう:表・裏の回数に応じてパーツを積み上げ、数字だけではわかりにくい結果を目で見てわかる形にします。
2か月目:データの可視化
- W5[Scratch]アンケート結果を棒グラフにしよう:クラスの簡単なアンケート結果を、ペンブロックを使って棒グラフの形で表示します。
- W6[Scratch]コイン投げの結果をグラフにしよう:自分たちで生成した乱数のデータを、棒グラフの技術で可視化して読み取ります。
- W7[Roblox]GUIで数字を表示しよう:ScreenGui・TextLabelを使い、シミュレーション結果を画面上の文字で表示する方法を学びます。
- W8[Roblox]積み上げグラフとGUIを組み合わせよう:パーツの積み上げとGUI表示を組み合わせ、サイコロ6種類の結果を本格的に見える化します。
3か月目:シミュレーションゲーム制作
- W9[Scratch]乱数を使った天気シミュレーションをつくろう:乱数・くりかえし・データの記録・見える化を組み合わせ、天気シミュレーション作品の制作を始めます。
- W10[Scratch]シミュレーション作品を完成させよう:天気シミュレーションに自分なりの工夫を加え、作品として完成させます。
- W11[Roblox]シミュレーション作品をRobloxで再現しよう:Scratchで作った天気シミュレーションを、Robloxの3D空間とGUIを使って制作します。
- W12[Roblox]発表会 〜シミュレーション作品を見せ合おう〜:完成した作品を発表し、乱数・データの記録・見える化という3か月の学びを自分の言葉で説明します。
コース11「AIっぽい判定・キャラクターのしくみを考える」(だい3クール)
複数の条件を組み合わせた判定(じゃんけんAIなど)を作り、条件分岐を発展させます。プレイヤーを追いかける・避けるキャラクターの動きを通じて「賢そうに見える動き」がどう作られているかを考え、自動で動くキャラクターとの対戦・協力ゲームを完成させます。
1か月目:複数条件の判定
- W1[Scratch]コンピュータの手をランダムに選ぶ:乱数ブロックを使い、コンピュータ役のキャラクターがランダムにじゃんけんの手を選ぶしくみを作ります。
- W2[Scratch]複数条件を組み合わせて勝敗を判定する:「かつ」「または」ブロックを使い、複数の条件を組み合わせてじゃんけんの勝敗を判定します。
- W3[Roblox]コンピュータの手をランダムに出す:Luauのmath.randomを使い、RobloxでもNPC役の手をランダムに決めるプログラムを作ります。
- W4[Roblox]複数条件でじゃんけんの勝敗を判定する:andやorを組み合わせたif文で、プレイヤーとNPCのじゃんけんの勝敗を判定します。
2か月目:キャラクターの自動行動
- W5[Scratch]敵キャラがプレイヤーを追いかける:「〜へ向ける」「〜歩動かす」を使い、敵キャラがマウスポインターを追いかける動きを作ります。
- W6[Scratch]逃げるキャラクターのロジック:追いかけロジックを応用し、距離によって「追いかける/逃げる/じっとする」を切り替えます。
- W7[Roblox]NPCがなめらかにプレイヤーを追いかける:Vector3のLerp(線形補間)を使い、Robloxの3D空間で自然な追従の動きを作ります。
- W8[Roblox]距離によって行動を切り替えるNPC:複数のしきい値を用意し、NPCの行動(追いかける/逃げる/気づいていない)を切り替えます。
3か月目:ミニAIゲーム制作
- W9[Scratch]対戦・協力ミニゲームの企画と土台づくり:判定ロジックと追いかけ・逃げるロジックを組み合わせ、オリジナルのミニゲームを企画します。
- W10[Scratch]ミニゲームの完成と調整:友達にテストプレイしてもらいながら、ルールや難易度を調整して作品を完成させます。
- W11[Roblox]Robloxでミニゲームを再現する:じゃんけん判定と追従/逃走のスクリプトを組み合わせ、1つのゲームスクリプトにまとめます。
- W12[Roblox]発表とふりかえり:完成したミニゲームを発表し、3か月間で学んだ判定ロジック・追従ロジックをふりかえります。
コース12「卒業制作 〜中学生コースへの橋渡し〜」(だい4クール)
3年間で学んだすべての要素(変数・座標・条件分岐・リスト・関数・物理・乱数・キャラクターの自動行動)を統合し、オリジナル作品を企画から完成まで作り上げる集大成です。Scratch・Robloxのどちらを主軸にするかを自分で選び、必要に応じてもう一方も使う「言語を選ぶ」経験もします。完成作品の発表とあわせて、中学生コース(Ex-Gramテキストシリーズ)の内容も紹介します。
1か月目:企画とアイデア出し
- W1[企画]アイデアを広げよう:3年間の技術一覧を見返しながら、「作りたいもの」のイメージを言葉と絵で表現します。
- W2[企画]企画書づくりと言語決定:企画書を完成させ、必要な機能を洗い出したうえでScratch・Robloxどちらで作るかを最終決定します。
- W3[試作]プロトタイプづくり①:企画の中核となる「一番やりたい動き」を選び、最初の簡易プロトタイプを作ります。
- W4[試作]検証と機能の洗い出し:試作をテストプレイし、必要な機能に優先順位をつけて残り8週間のスケジュールを立てます。
2か月目:制作
- W5[本制作 前半①]土台づくり:背景・ステージ・メインキャラクターを配置し、基本の移動スクリプトを実装します。
- W6[本制作 前半②]メイン機能の実装:企画の中心となるゲームプレイ・機能(スコアや当たり判定など)を実装します。
- W7[本制作 後半①]追加要素を作ろう:敵キャラやアイテムなど、作品に深みを加える要素を乱数も使いながら実装します。
- W8[本制作 後半②]キャラクターの動きを磨こう:NPCの追従・回避ロジックを見直し、動きやすさ・難易度のバランスを調整します。
3か月目:仕上げと発表会
- W9[仕上げ①]バグ直しと微調整:作品全体を通しでプレイして不具合を洗い出し、優先度の高いものから修正します。
- W10[仕上げ②]完成と発表準備:作品を完成させ、作品紹介シートを作って発表の練習をします。
- W11[発表準備]リハーサルと会場準備:グループ内でリハーサル発表を行い、発表当日に向けた最終確認をします。
- W12[発表会本番]卒業制作発表・中学生コース紹介:3年間の集大成となる作品を発表し、あわせて中学生コース(Ex-Gramテキストシリーズ)を紹介します。
