4つの目で考える。鳥の目、虫の目、魚の目、そして蝙蝠の目。

教育

プログラミングの教室で「創造性を身に付ける」という言葉をよく聞きますが、そんなに簡単に創造性が身に付くわけではありません。ただ、ものごとを考えるときに知っておくと便利なツールのようなものはいくつかあります。「4つの目で考える」のもその一つでしょう。鳥の目、虫の目、魚の目、蝙蝠(こうもり)の目になったつもりで考えてみようというものです。当教室でも時々紹介しています。これはものごとを分類しているという捉え方もでき、複雑な処理を関数やクラスに分けるコンピューター的なやり方にも似ています。コンピュテーショナルシンキングの一つといっても良いでしょう。

例えば、波をテーマにしたプログラムを作る前に、「波といったら何を思い浮かべる?」と問いかけます。「必ずしも実在する波でなくても、空想上の波でもいいよ」と補足します。

ところが、突然こんなことを聞かれたためなのか、何のイメージもわかない生徒さんが結構多いのです。これは体験会で実際に何百人かに聞いてみての実感です。

ここで、「4つの目」の登場です。

最初は「鳥の目」です。鳥は上空を飛んで地上を俯瞰して見ながら飛んでるよね。その鳥の目になって考えたらどうかな?

全体の把握です。

地球規模で考えれば、太平洋の荒波とか、地震といった回答が戻ってきます。

 

次は「虫の目」です。虫のように小さくなって局所的に見たらどうかな?あるいは複眼で見てみたら?

部分の把握です。

コップに水滴を垂らしたときの波。心電図もそうだ。ここまでくると少し慣れてきていろいろアイデアがでてきます。

 

次は「魚の目」。川の流れの中にいる魚の目になって見てみよう。

流れから転じて流行の把握です。ニュースになったもの、時事問題などからヒントを得ます。

重力波の検出などというニュースがありました。波と波が重ね合わさって大きな波になる三角波(さんかくなみ)で船が沈没したというニュースもありました。

 

最後は「蝙蝠(こうもり)の目」。漢字がちょっと難しいですね。

こうもりは逆さまになってぶらさがっています。

逆さまに見るということは、逆転の発想をしようということです。自由な発想をするラテラルシンキングです。

最初はなかなか案がでてきません。でも、空想上の波でもいいんだよというと、だんだん出て来るようになります。

かめはめ波、時代の波、成績の波、人の波、サッカー会場の観客が作るウェーブ。

 

こうして、身の回りにはいろんな波があることに気付かされます。最後の蝙蝠の目でみて出て来た波は突飛ですが、これが何か解決の糸口になることもあるでしょう。

 

アイデア出しするときとか、何かをリストアップする必要があるときに、この「4つの目」を思い出してくれるとよいですね。そのほうが断然、たくさんのアイデアが出て来ます。

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